5月15日、金曜日の夕方、モイちゃんが息を引き取りました。
モイちゃんとは東京で会社を経営していた頃、
取引先の方から可愛い子猫として譲り受けました。
東京の広尾生まれの生粋のシティ・ボーイだったのです。
その後、僕たちの自宅である川崎に引っ越して、
9年前にこの房総半島の山の中に
せつさんとお義母さんと一緒に移り住みました。
20年もの長い間、いつもせつさんと僕の間にいて、
僕たち夫婦の物語をいちばん間近で見ていた猫でした。
誰よりも優しく、誰よりも穏やかで、誰よりも平和。
モイちゃんといると、自分の小ささを思い知らされました。
僕が30代の頃、
仕事一筋で脇目も振らず邁進していたあの頃、
競争に勝つことだけを目標としていたあの頃、
心にまったく余裕がなかったあの頃、
モイちゃんの目に僕は一体どのように映っていたのだろう。
モイちゃんとの20年間は、
僕の人生が劇的に変わっていく20年でもありました。
これからは、モイちゃんを見習って、穏やかに生きていこうと思います。
モイちゃん、人生の大切なことを教えてくれてありがとう。
2015.6.20 夫