昨年は本当にいろんなことがありました。
4月には40年来の親友が亡くなって、
5月にはコチロが向こうの世界に旅立って、
6月にはせつさんのお義母さんがこの世にさよならを告げました。
咲き誇る薔薇の季節の中、悲しいできごとが続きました。
コチロは不思議な猫で、まだ生まれたての赤ちゃんの頃、
ある日突然、納屋の中にたった一人で現れたのでした。
おそらく生後一ヶ月もたっていなかったと思います。
お母さんは誰だかわかりませんが、
お父さんはおそらくチロだったのではないでしょうか。
それで、コチロと名づけました。
チロとはとても仲良しで、生前のチロとはいつもいっしょでした。
チロがイノシシと闘って亡くなってから、
いつも寂しそうにポツンとしているのが気になっていました。
なんとなく他の猫たちと距離を置いているような孤高な空気が漂っていました。
あれほどやんちゃでおちゃめな猫だったのに・・・。
昨年、薔薇が咲き始めたある日、泉のそばでうずくまっているコチロを見つけました。
とても具合が悪そうで、元気がありません。
すぐに病院に連れて行くと、やはり腎臓を患っているとのことでした。
コチロはまだ4歳くらいでまだ若いのに、男の子は腎臓に来るのですね。
手の施しようがないとのことだったので、
家に連れて帰り、馬小屋の2階で療養生活が始まりました。
それでも、体の調子が良くないのか、一日中、じーっとしている毎日でした。
1ヶ月が過ぎた頃でしょうか。
少しでも外の空気を吸ってもらいたくて2階のバルコニーのドアを開けておきました。
そのことがアダになりました。
コチロはふらふらと外に出てバルコニーから落ちてしまいました。
バルコニーの向こう側には屋根が見えていて、そこにチロがいたのかもしれません。
チロはよく屋根にのぼっていたから、
うれしくてついぴょんと飛び移ろうとしたのだと思います。
大あわてで病院に連れて行きましたが、もうだめでした。
今頃は、チロと一緒に馬小屋の屋根で走り回っているのだろうな。
2017.3.16 夫