もうあれから一年以上たってしまって、
いまさらなのですが、ポタのことがあって、
やはりジジにもたくさんのお客さまからのお問い合わせがありましたので、
あらためて、ジジのことについて書き留めておこうと思いました。
3年前の冬のことだったと思います。
ある日せつさんが、ボロぞうきんのような黒い猫が
納屋の機械室にいると言うのです。
確かに毛の長い黒猫で、しかもかなり放浪してきたのでしょう、
全体がぼろぼろになって、まるでレゲエおじさんのようでした。
しかも、体が悪いらしく、かなりの異臭が立ちこめていました。
せつさんが段ボールにタオルを敷いてあげてご飯を運んであげると、
そのベッドが気に入ったのか、ずっとそこで寝泊まりするようになりました。
しばらくして元気になると、他の猫たちに「こんにちは」と
鼻をくっつける挨拶を誰かれかまわずするのです。
ニャジラの迷惑そうな顔がおかしくて、思い出すたび笑ってしまいます。
そんなジジですから、ネコ仲間みんなから好かれていました。
体が弱くて、毎週のように病院に連れていったのですが、
帰ってくるたびに他のネコたちに挨拶していました。
体の弱いジジですが、ジジなりに僕たちに恩返ししようとしたのでしょうか、
お客さまの相手を積極的にするようになりました。
正門でお客さまをお迎えして、帰りもお見送りをする、
まるでチロのような猫でした。
それでも、結局、病気には勝てませんでした。
2013年5月1日の朝、機械室で冷たくなっているジジを見つけた僕は。
ショックでしばらく立ち尽くしていました。
その後、気を取り直して、せつさんとたくさんの薔薇や花と一緒に
ジジを段ボールに入れて、チロの隣にお墓をつくりました。
その日は、抜けるようないいお天気で、
空を見上げると、ジジが「ニャー」と鳴いた気がしました。
このガーデンで、いい思い出をいっぱいつくったね、ジジ。
ジジからは、誰にでも優しく接する心を教えられました。
ありがとう。
2014.7.11 夫